特殊なセリ用語が飛び交う漁港のセリは、通常は早朝に1回のみ行われます。しかし射水市の新湊漁港では、「朝セリ」「昼セリ」と1日2回も行われています。しかもこの全国的に珍しい昼セリは、間近で見学可能なんです。そこで筆者も買い物がてら、見学に行ってきました。
目次
昼セリが予約できる新湊きっときと市場

新湊きっときと市場の目印は、遠目にも目立つ外壁に取り付けられたカニのオブジェです。
昼セリ予約方法
昼セリは電話予約するか、直接市場の中にあるインフォメーションコーナーまで行って予約します。一応事前予約しなくても予約に空きがある日は、昼セリ見学可能です。筆者は予約していませんでしたが、昼セリ1時間前に行くと「空いている」と言われたので見学出来ました。

- 建物の開館時間:9:00~17:00
- 予約電話番号:0766-84-1233
しかし筆者はたまたま空いていましたが、土曜日・バスツアーがある平日は予約満席らしいです。見学したいなら事前予約しておく方が良いと思いますよ。
昼セリ定休日と時間
- 定休日:日曜・水曜、年末年始、休場日
- セリ時間:12:30~13:30
他に祝祭日・シケの日も休みの時があります。
昼セリ料金
- 見学料金(6月~8月):無料
- 見学料金(9月~5月):100円
紅ズワイガニ漁がある9月~5月のみ、有料になります。
新湊きっときと市場からセリ市場へ
セリ市場の場所

インフォメーションで予約・見学料金支払い後は、各自で漁港まで移動・見学します。セリ市場はきっときと市場の後方にあります。

きっときと市場後方の倉庫を通り抜けると着きます。
セリ市場までの移動距離

新湊きっときと市場から徒歩5分ほどの距離だったので、すぐに到着しました。

セリ市場の駐車場は広いので、車で行っても大丈夫そうです。
昼セリの見学スタート

新湊漁港では1日2回セリが行われています。早朝5時30分スタートの朝セリと、13時スタートの昼セリです。1階はセリ場なので、関係者以外立ち入り禁止です。2階に上ると観光客向けの見学スペースがあります。特に見学者用の案内は設けられていないので、勝手に2階に上ります。

上の写真が見学スペースです。朝セリは見学許可されていないので、まさに昼セリ専用の通路と言えますね。13時になるとブザーが鳴らされて、昼セリがスタートしました。
9月~5月の紅ズワイガニの競り

朝セリでは定置網で獲れた魚が多く並びます。一方、昼セリでは定置網ではなく、イカ釣りやカゴ網などを使って獲れる特定の魚介類…主に紅ズワイガニ、本ズワイガニ、エビ類、バイガイ、イワガキ、高級魚(タイ、ノドグロ、太刀魚)が並びます。9~5月の昼セリの目玉は、やはり紅ズワイガニ。県内漁港で水揚げされた紅ズワイガニは「高志(こし)の紅ガニ(あかがに)」と命名・ブランド化されています。それが綺麗に10杯ずつ並べられて、本当に紅い絨毯(じゅうたん)のように見えました。
6月~8月の紅ズワイガニ以外の競り

12月のセリ広場の片隅では、紅ズワイガニ以外のセリも行われていました。白い発泡スチロールの箱の中にエビが入っているのが見えます。やはり紅ズワイガニが無い昼セリは、少々地味に感じました。紅ズワイガニが獲れない6月~8月はこんな感じのようです。
昼セリ見学のポイント
見学していて良いと思ったポイントを紹介します。
早朝ではないので行きやすい

昼セリの一番の魅力は、早起きの必要が無い事だと思います。セリ見学出来る漁港は他にもあります。例えば同じ富山県内の氷見漁港は、朝セリ見学出来ます。しかし開始時間は朝6時からですので、かなり早めに家を出発しないと間に合いません。その点新湊漁港の昼セリは、時間的に余裕を持って行けそうです。
特殊なセリ用語とスピード感

セリ中は特殊なセリ用語で話しているので、何を話しているか全然分かりませんでした。あまりに理解不能で、なんだったら外国語でも聞いている気分でした。最初は興味深く聞いていたんですが「そろそろ興味が薄れそうだな」と思ったタイミングでセリが終了しました。3000杯近く並べられた紅ズワイガニは、競られるとすぐに水色のかごに入れられます。そしてトラックに積まれて、気付けばあっという間に無くなっていました。13時スタートして終了したのは13時30分…約30分程度でした。セリってとてもスピード感があるものなんですね。飽きる前に終わる、ちょうど良い長さの時間だと思いました。
競り直後の紅ズワイガニ料金比較
きっときと市場「正面玄関」

昼セリ終了後に行くと、競られたばかりに紅ズワイガニが大鍋の中で茹でられています。茹でたカニは、きっときと市場の中にあるテーブル席で食べられます。

- 茹で上がり時間:14時ごろ
- 料金:一杯1500円
- 定休日:日曜・水曜、年末年始、休場日
セリ市場近く「新湊かに小屋」

きっときと市場の正面玄関と同じく、昼セリで競り落とされたばかりの紅ズワイガニが食べられるお店です。店内はコンクリート造りの雰囲気ある所でした。きっときと市場は1杯1500円だったのに対し高めの1杯1800円ですが、店の内装が素敵だったので場所代だと思えば納得です。恋人や新婚さんと一緒に食べるなら、こちらの店をおすすめします。
- 料金:1杯1800円
- 定休日:水曜日、日曜日
- 営業時間:13:00~15:00
周辺のレストラン
きっときと市場内「きっときと亭」

メニューがほぼ海鮮丼のレストランで、1500円~3000円くらいの料金設定です。
- 営業時間:11:00〜16:00
- 席数:テーブル180席
きっときと市場内「湊寿し」

寿司単品で一貫165円~、寿司御膳セット1980円~です。
- 営業時間月~金:11:00~16:00
- 営業時間土日祝:10:30~16:00
- 席数:カウンター15席、テーブル14席
きっときと市場の正面向かい「海み屋」

カニも食べられるうどん屋さんです。営業時間:11:30~15:00
- 茹でカニ料金:一杯1500円
- カニうどん:900円
- 白エビうどん:850円
- マグロ山かけ定食:1500円
セリ市場前「きときと食堂」

セリ市場前の紅ズワイガニを使った丼や定食メニューがある食堂です。人気メニューは何と言っても、ワンコインで食べられるまかない漬け丼です。
- 定休日:水曜日
- 営業時間(平日・土曜日):5:30~14:30
- 営業時間(日祝):7:00~14:30
- 席数:32席
- 魚屋のまかない漬け丼500円
- おまかせ定食700円
- 白エビ天丼1200円
- 海鮮丼1200円
セリ市場横「女性部食堂」

この「女性部食堂」の意味ですが、「新湊漁協の女性部がその日獲れた魚介をおふくろの味に仕上げる食堂」です。ところが「味が濃すぎ」「接客悪すぎ」「量が少なすぎ」などなど地元でも悪評がはこびるお店です。
- 刺身定食:1300円
- 豚丼600円
- 牛丼600円
- カレーライス600円→このカレーライスはなんとレトルトらしいです。
- 定休日:日曜日
- 営業時間:月~金10:30~14:00、土曜日9:00~14:00
美味しくない白えびソフトクリーム

きっときと市場の中で筆者が今まで食べたソフトクリームの中で、一番美味しくないソフトクリームに出会いました。見た目は普通のソフトクリームの上に白エビが一尾のせられているそれの名前は…ズバリ「白えびソフト」です。紅ガニソフトは食べていませんが、白エビソフトはしょっぱい味が何とも言えない味でした。しょっぱいソフトクリームと言えば、塩ソフトクリームがあります。塩ソフトクリームは美味しいですが、それとは違って塩が磯臭くてはっきり言って不味いです。ちょっとネタとして食べてみて欲しい…ある意味おすすめします。
- バニラソフト350円
- 白えびソフト350円
- 紅ガニソフト350円
総論:新湊漁港の昼セリ体験
昼セリは面白い体験でした。活気があるセリ市場は、特殊なセリ語が飛び交っていて外国語でも聞いているようでした。ただし少々気を付けて欲しい事が、30分で終わる昼セリはメインの観光とはならないという事です。昼セリを見て、競り落とされただろう海鮮物を食べる事が昼セリ見学の醍醐味(だいごみ)です。昼セリ見学を観光のメインと考えていたら、「もう終わった?」とがっかりすると思います。ちなみに食事処は当たり外れがあるので、あまりに空いているお店にはお気を付けください。
★近くの観光名所としておすすめなのは海王丸パークです。→富山県射水市の帆船海王丸パークに乗船
コメント
昼セリの見学時間に誤りがあります。
誤り:13:00~
正当:12:30~
本当だ!確認しました。ありがとうございます。