高岡市美術館2Fにある「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」に行ってきました。ちょっと筆者が予想していた所とは違いました。事前予想との違いをふまえて、レポートします。
目次
高岡美術館の見どころ
建物自体が伝統工芸品
高岡美術館は、あちらこちらに高岡伝統の鋳物技術が使われています。アルミニウムを溶かして、 砂等で作成した鋳型(いがた)に流し込む技術の事です。

高岡美術館に行ったらギャラリーだけではなく、建物自体にも注目して見て下さい。鋳物技術が使われている場所は、回廊の屋根、ドアの引き手、サインの表示板、ベンチ、ごみ箱、灰皿など多岐にわたります。まさに建物自体が伝統工芸品といえると思います。平成10年には全国の優れた公共建築を選定する「公共建築百選」のひとつに選ばれています。
地下駐車場

- 地下駐車場の料金:2時間まで無料
- 地下駐車場の時間:9:00~18:00
※屋外の駐車場は時間無制限で無料です。
二人の藤子不二雄
以前の高岡市美術館は、金属工芸中心のギャラリー常設展示でしたが、2015年に休室になります。その後に藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーが開設されました。少し解説しますと「藤子不二雄」というペンネームは、藤本弘先生と安孫子素雄先生のコンビ名でした。2人の合作による最後のヒット作は「オバケのQ太郎」であり、これ以降はどちらかの単独作品です。

コンビを解消してからは、
- 藤子・F・不二雄(藤本弘)
- 藤子不二雄Ⓐ(安孫子素雄)
という名前で区別されるようになりました。つまり藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーは、藤本弘先生中心の作品ギャラリーという事です。
藤子・F・不二雄(藤本弘)
富山県高岡市出身の藤本弘。ドラえもんの作者です。コンビを解消してからは「藤子・F・不二雄」という名前で活動を始めました。しかし藤本氏のコンビ解消後の作品は、あまりヒットしませんでした。「ドラえもん」すら連載中は人気がありませんでした。しかし連載終了間際に単行本が全6巻発売されると、急に人気が急上昇。日本、海外で話題になり、現代まで続く長寿アニメに成長を遂げました。特に今は毎年のように上映される映画人気が凄いですよね。ちなみに藤本氏は小学生時代いじめられっ子で、ドラえもんの野比のび太は自分をモデルに描いたそうです。
藤子不二雄Ⓐ(安孫子素雄)
富山県氷見市出身の安孫子素雄。コンビ解消後は、藤子不二雄Ⓐという名前で活動を始めました。安孫子氏はコンビ解消後も「怪物君」「黒いせぇるすまん」「魔太郎がくる!!」などのヒット作に恵まれました。
藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー
藤子・F・不二雄氏の漫画の原点、作品の面白さに触れる事が出来るギャラリーです。高岡美術館の二階に行くとギャラリーの受付があるので、ここで入場チケットを購入します。
ギャラリー開館時間

〇開館時間 : 9:30~17:00
〇休館日 : 月曜日(祝日の場合は翌日) 、年末年始(12月29日~1月3日)
ギャラリー料金
〇シニア(65歳以上):400円
〇大学生以上:500円
〇中学生以上:300円
〇4歳以上:200円
〇3歳以下:無料
藤子・F・不二雄ギャラリー入口

「どこでもドア」を模した展示室の入口です。
なかなか良い撮影スポット。残念ながら内部は撮影禁止でしたが、この入口は撮影OKでした。内部に関しては、言葉で作品世界の説明をしていきます。筆者はこのページの冒頭で「ちょっと筆者が予想していた所とは違いました。」と書きました。それは展示作品の売買が、まったく行われていないという事です。
藤子・F・不二雄ギャラリー内部
ギャラリーってたいてい、展示作品の販売もしている所だと筆者は思っていました。もちろん原画そのものは無理だとしても、質の高い複製絵画(レプリカ)は3万円くらいで購入できるものだとばかり…。しかし藤子・F・不二雄ふるさとギャラリーでは、予想と違ってギャラリーの展示のみでした。

中は薄暗く、原画のみ浮かび上がるように展示されていました。上の写真は薄暗さが似ていたので、イメージとして載せています。作品の中で筆者が一番感心したのは、14歳時の手作り冊子「妖怪島」です。全ページを展示してあるのですが、14歳の時の作品とは思えぬクオリティでした。あとは有名な映画「ベン・ハー」を漫画にした作品もあり、映画を知っている人ならば「ここ知ってる知ってる。」とニヨニヨします。

上の写真はパンフレットを撮影したものです。少しはギャラリーの様子が分かるでしょうか。記念館や博物館ではないので、展示品はほぼ漫画の原画のみです。愛用の机、愛用のペン、愛用のカバンというような物の展示はありません。レプリカ売買が無い事と、愛用の○○的な展示が無い事だけは少々残念でした。
藤子・F・不二雄ギャラリー出口

ギャラリーから出ると、ドラえもん像がありました。高岡の伝統産業である「高岡銅器」製の世界に一つの銅像です。

ギャラリーから出ると、無料で読める漫画コーナーがありました。人気作の「ドラえもん」「パーマン」はともかく、ヒットしなかった「21エモン」「ウメ星デンカ」等の作品もありました。不人気だった作品もあるのは、ありがたいです。人気作は手に入れやすいけど、逆はありませんからね。

ぱっと見る限り、以下の作品があるのが見えました。
- 海の王子
- T・Pぼん
- チンプイ
- 21エモン
- パーマン
- ロケットけんちゃん
- ウメ星デンカ
- オバケのQ太郎
- キテレツ大百科
- すすめろぼけっと
- ユリシーズ
- ドラえもん
しかし無料漫画コーナーには、あまり長居は出来ないと思って下さい。別に時間制限がある訳ではありませんが、コーナーは受付のすぐ近くにあるんです。

場所的に長居しにくく、くつろいで読めません。読めても一冊が限度かと思います。

ギャラリーから出るとある売店の商品は、ほぼドラえもん・ドラミちゃんグッズです。食べ物系は「ドラえもんどら焼き」と「ドラえもんせんべい」の二つのみです。どら焼きの方は人気らしく、売り切れでした。

ガチャもあり。
高岡美術館の地下1Fの売店
2Fギャラリーの売店に気に入る物が無ければ、地下1Fにも売店があります。

地下売店のドラえもんグッズコーナーです。他にも美術関連の商品があります。

見ていて特に楽しかったのは絵はがきです。全て和柄のはがきで、インテリアとして部屋に飾るのに良いな、と思いました。後は鬼滅の刃で主人公がかぶっていたのにそっくりな狐面のお面、浮世絵柄のトランプなどなど、2Fよりも欲しい商品がたくさんありました。
総論:藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー
行ってみて思ったのは、大人のドラえもんファンが楽しめる場所だという事です。特に大人のファンの中で高岡に詳しい人間だったら、もっと楽しめます。展示品の中には先生が体験した高岡の風景が感じられる作品があるので、「ここは自分の知っているあそこかな。」と思いながら見るとさらに楽しいですよ。しかしギャラリーだからか、記念館のように体験できるコーナーみたいな所はありません。ギャラリーであっても少しくらい記念館のように分かりやすい展示品があっても良いのではないかなと思いました。ファンじゃない人・ドラえもんに興味がない人・子供のファンでも楽しめるような展示品が増えれば良いと思います。
★この他にドラえもん好きが楽しめる場所としておすすめなのは、高岡おとぎの森公園です。おとぎの森公園は筆者が3記事書いちゃうくらいにはおすすめです。