RSウイルスはこの世にありふれているウイルスの一つです。また風邪の原因菌の一つで、感染すると鼻水・のどの痛み・咳・発熱といういわゆる風邪の代表的症状が発症します。発症すると通常の風邪よりも咳がひどくなる点が特徴的です。しかしRSウイルスは、「かかる人の年齢」や「その人が持つ免疫力」によって様々な症状のパターンがあります。そこで今回は我が子がRSウイルスにかかった時の症状3パターンと、発症した後におすすめする喉に良い食べ物・飲み物を紹介します。
飛沫感染と接触感染?予想される感染経路

- 1歳5か月:おそらく登園している第一子から。
- 1歳11か月:おそらくスーパーか児童館から。
- 4歳10か月:おそらく登園場所から。
毎年冬になると流行しますが、我が子が感染したのは春と初夏でした。RSウイルス感染は子供同士でうつし合う可能性が高く、鼻水・唾液・手を介して他の人にうつります。そのためしっかり手洗いとうがいを行っていたのですが……うつりました。幸い我が子は感染した時には1歳を過ぎていたので、そこまで重症にならずに済みました。併発しやすい中耳炎にもなりませんでした。生後まもない時じゃなくて良かったと思います。
咳が止まらない!RSウイルス感染症の症状
年齢順に紹介します。
1歳5か月

- 感染者:第二子1回目。
- 感染時期:5月。
- 症状:37度~37.8度あたりを行ったり来たりで、2日後に下がりました。また咳は確かにひどいのですが、第一子の時と違って全く眠れないという事はありませんでした。夜にひどい空咳を立て続けにして3回ほど起きましたが、抱っこして水を飲ませるとすぐにまた眠りにつきました。
- 解熱後:解熱してから3日間ほど咳が続き、それが収まると次は鼻水が2日間続きました。
1歳11カ月

- 感染者:第一子1回目。
- 感染時期:7月。
- 症状:37度~37.8度あたりを行ったり来たりで、2日後に下がりました。しかしとにかく咳がひどい。夕方発症して就寝してからも夜は常に空咳が続き、21時から早朝4時まで眠れない我が子をずっと抱っこしていました。あまりに咳が止まらないので、筆者が「咳で死ぬんじゃないか。」と恐れたほどです。次の日処方された薬を服用させると、ようやく眠れるようになりました。
- 解熱後:解熱してから3日間ほど咳が続きました。鼻水は無し。
4歳10か月

- 感染者:第一子2回目。
- 感染時期:5月。
- 症状:発症してから1、2日目は37.8~38度でしたが、3日目で39度の高熱になりました。4日目で座薬が効いたのか熱が下がりました。咳をするのは就寝中の夜中と起床して30分程度でした。
- 解熱後:解熱してから5日間ほど咳が続きました。鼻水は無し。
RSウイルス流行中でも感染後でもおすすめ!喉に良い食べ物と飲み物レシピ
RSウイルス感染症は、基本的には自分の免疫力だけで治る病気です。病院に行っても「呼吸しやすくする薬」や「鼻水を抑える薬」や「解熱剤」は処方されますが、抗生物質は処方されません。対処療法で治すため、水分・栄養をとりながら鼻水をこまめに吸引して回復を待ちます。そんなRSウイルス流行中もしくは感染後に摂取するのにおすすめなのは、「殺菌効果あり」「鎮咳効果あり」「喉の炎症を抑える」「喉の乾燥を防ぐ」ものです。
殺菌効果があるもの
「殺菌効果」があるものは、たいてい「鎮咳効果」もあります。これは呼吸器系の細菌を減少する働きによって、咳が少なくなるからです。
生の生姜(しょうが)

殺菌効果・抗炎症作用・身体を温める効果があります。ちなみに加熱した生姜の場合、血流を良くして身体を温めてくれます。
ねぎの白い部分

白い部分には硫化アリルが含まれており、殺菌効果・抗炎症作用があります。
はちみつ

グルコン酸という有機酸が含まれており、強い殺菌効果があります。他にも防腐作用・粘膜保護効果があります。
りんご

りんごに含まれるリンゴ酸・クエン酸などの有機酸が殺菌・消毒作用を持ちます。
梅

梅もりんごと同じく有機酸が多く、リンゴ酸・クエン酸・・コハク酸・酒石酸が含まれています。例えば夏の暑い時期の手作り弁当には食中毒対策として梅干しが良いと言われています。これは本当にその通りで、特に強力な殺菌作用を持つクエン酸が、食べ物が腐ってしまう原因菌である腐敗菌を退けてくれます。
抗菌効果があるもの
- 殺菌=「菌を殺す・死滅させる」いう意味です。
- 抗菌=菌を殺したり減少させるのではなく、「菌の増殖を抑制、あるいは阻害する」という意味です。
このように殺菌と抗菌では少々意味が違ってきます。
生の大根おろし

大根の辛味成分「イソチオシアネート」は、切ったりすりおろしたりする事で酵素により成分が変化します。そうすると抗菌効果・抗炎症作用が生まれます。熱に弱いので加熱せずに汁ごと飲み干します。
緑茶

緑茶に入っている「カテキン」はポリフェノールの一種で、ウイルスや菌の繁殖を抑えて無力化させる働きがあります。
紅茶(特にアッサムティー)

紅茶の赤い色素の成分「テアフラビン」はポリフェノールの一種で、風邪症状の原因となる様々な細菌の働きを低下させます。紅茶は基本的にはどれでもOKですが、中でもアッサムはテアフラビンの含有量が他の紅茶よりも多いので効果が高いです。
咳を抑えるもの
梨

甘味成分ソルビトールは含まれており、咳止め効果・抗炎症作用があります。梨は和梨でも洋梨でもOK。
きんかん・かりん・レモン

殺菌効果・咳止め・抗炎症作用・免疫力向上・血行促進の効果があります。クエン酸が殺菌効果、タンニンが抗炎症作用、豊富なビタミンCが免疫力向上、リモネンが血行促進の効能を発揮します。

きんかん・かりん・レモン等の柑橘類は、どれものど飴の主成分に使われる事が多いです。
杏仁豆腐(バラ科の果物の種)

びわ・かりん・梅・もも・すもも・さくらんぼ・あんず等のバラ科の種子には、「アミグダリン」という青酸を含む点々の有害物質が含まれています。果実が熟していれば問題ありませんが、未熟な果実と種子の場合、中毒症状をひきおこします。しかし大量に取り込めば毒となりますが、少量であれば毒の原因でもある「アミグダリン」は体に良い効能も持っています。特にあんずの種子は甜杏仁(てんきょうにん)と呼ばれ、漢方の生薬としても使われています。効能は咳止め・かゆみ止め・整腸作用・便秘解消・疲労回復等で、この甜杏仁(てんきょうにん)を使った「杏仁豆腐」は薬膳料理に分類されます。
喉の痛みを軽減させるもの
はちみつ
上の殺菌効果の方でも出てきますが、粘度のあるはちみつは喉の粘膜を保護する作用も強いです。殺菌効果との相乗効果もあり、喉を潤す保護能力が高まります。
レンコン

「タンニン」という抗炎症作用を持つ成分を含んでおり、喉の痛みを和らげます。
柿

レンコンと同じく「タンニン」を含んでおり抗炎症作用があるので、喉の痛みを和らげます。また柿が持つβ-カロテンは腸から吸収されることによってビタミンAに変わります。ビタミンAは喉や鼻などの粘膜を健康に保つ作用があります。
乳製品とにんじん

乳製品もにんじんも、粘膜の健康維持に必要なビタミンAを含んでいます。目の乾燥を防ぐので目のビタミンとも呼ばれています。この粘膜というのは喉にも該当するわけでして、つまり喉の乾燥・喉の炎症にも効果があります。ただし乳製品に関しては、せきこんでいる時に摂取すると痰が絡んで余計にせきこんでしまいます。咳が収まった後に喉の粘膜保護には大変役立ちます。
ミント

ミントに含まれるメントールに冷感作用・消炎作用があり、熱を取り去って喉の痛みをとるのに使われます。
カモミールティー

カモミールに含まれるルテオリンにはミントと同じ消炎作用があり、さらに鎮痛作用・抗ヒスタミン作用があります。喉の痛みや皮膚の炎症を抑えるのに使われます。
総論:感染した後におすすめする喉に良い食べ物・飲み物
RSウイルスは胃腸炎ほどでは無いにしても、親にとってなかなか厄介な病気だと思います。普通の風邪だったら子供のお世話で大変な思いをしたとしても「でもこれでこの病気に対する免疫が出来た!」と前向きに捉えられるのですが、RSウイルスはかかったとしても一生涯の免疫が得られるわけではありません。成人になるまでに何度もかかる可能性はあります。そのうえ咳がしつこく続くのでなかなか再登園もしにくいです。そこで今回紹介したのが筆者おすすめ!のどに良い食べ物と飲み物です。しかもこれらの食材は組み合わせで相乗効果を期待することも出来ます。例えば生姜と蜂蜜を入れた生姜湯、牛乳とにんじんを入れるクリームシチュー、すりおろしたリンゴとはちみつあえ等々……。熱が下がったのに咳がしつこい時にでも積極的に摂取させてみてはいかがでしょうか。