紫外線対策に欠かせない日焼け止めはピンキリありますが、キリであってもそこそこ値段がします。それで去年のものが残っているとつい「もったいない」「今年もまた使ってみよう」と思うかもしれません。(筆者がそうでした。)しかしそれはおすすめしません!下手をすれば痒み・湿疹などの肌トラブルを引き起こします。そこで使えないけど捨てるにはもったいない……そんな時におすすめする「余ってしまった日焼け止めクリームの意外な活用方法」を紹介します。
目次
日焼け止めの使用期限とは

まず日焼け止めの使用期限ですが、市販の日焼け止めのほとんどは化粧品に分類されます。そして日本の医薬品医療機器等法では、製造後3年以内で変質する化粧品を除いて、使用期限を表示する必要はないとされています。
未開封時の使用期限
日本の医薬品医療機器等法(旧題名:薬事法)では、製造後3年以内で変質する化粧品を除き、使用期限を表示する必要はないとされています。そのため製造年月日を明記していません。
つまり未開封であれば3年間は品質が保証されるという事です。問題となるのは開封後の使用期限です。
開封後の使用期限
半年を過ぎた日焼け止めが使えるかどうかは、以下の三点が目やすとなります。
- 変なにおいがしない(購入時とは違う匂いになっている)
- 分離していない(出すと最初に油分だけが出てくる)
- 変色していない(白色だったのに黄色や灰色になっている)
使用期限が明示されていない日焼け止めは、開封してから半年~一年で使い切るのがベストです。劣化した日焼け止めは徐々に効果が薄れていくので、去年の余りものを使っても日焼けを防ぐ効果がほとんどありません。またもったいないからと古いものを使うと、ほてり、かゆみ、赤み、痛み、腫れなどの異常が肌にあらわれることがあります。見た目は変わらなく見えても、空気が入る事で酸化したり雑菌が繁殖したりしているかもしれません。日焼け止めの効果が無いどころか肌にも悪い…使う人間にとって良い事ゼロです。絶対に使わないようにしましょう。
ハサミの切れ味を復活させてみた
一度ハサミにネバネバした粘着質な汚れが付くと、落とそうと擦っても汚れが広がるだけです。しかし日焼け止めクリームを使うと、スルっと取れると聞いてやってみました。

- ハサミの刃の部分に、日焼け止めクリームをまんべんなく塗ります。
- 約一分後、ハサミをチョキチョキと開閉します。
- 最後にティッシュで拭き取ります。
やってみるとかなり効果的!少し拭いただけで切れ味復活しました。
ただしこのやり方は日焼け止めに含まれる油分によって、ベタベタ粘着した汚れが落ちるという原理です。ベタベタしていない・さび付いているハサミの場合は効果なしです。そんな時は包丁研ぎに使われる事もあるアルミホイルを数回切ります。そうすると研がれたようになり、これも切れ味復活します。
シールのベタベタを取ってみた
我が家にアンパンマン滑り台がありました。子供達にベタベタにシールが貼られて、ちょっと水で濡らしてもうまく剥がせずベタベタした状態でした。そこで「日焼け止めクリームを使うとスルっと取れる」という話を聞いたのでやってみました。

- シールを剥がした後、上から日焼け止めクリームを塗りたくります。
- 約5分後、タオルでゴシゴシ拭き取ります。
日焼け止めの中に入っている油分が、シールの粘着を滑らせる役割を果たしてくれます。その効果のほどは…

すごい効果的!時間をかけても取り切れなかったシールが、5分でスルスル取れるように!
木製家具の場合はシミになるので使えませんが、今回のようにプラスチック製のものに対してだと大変効果的です。日焼け止めの使い道としては、かなりおすすめです。
シルバーを洗浄・黒ずみを取ってみた
我が家に黒ずんだシルバーアクセサリーがありました。普段付けたりしないので黒くなっても放っておいたのですが、ちょうど「日焼け止めクリームを使うと黒ずみが取れる」という話を聞いたのでやってみました。
シルバーアクセサリーのビフォーアフター

- 布に日焼け止めクリームを付けます。
- 布でシルバーを磨き、最後に水で洗い流します。
日焼け止めの中に入っている成分が研磨剤の役割を果たしてくれます。その効果のほどは…

こうなりました(写真上)。シルバー磨きの専用クロスほどには綺麗にはなりませんでした。
カバンの金具のビフォーアフター

シルバーアクセサリー一点だけで判断するのもな、と思ってカバンの金具も磨いてみました。その効果のほどは…

こうなりました(写真上)。シルバーアクセサリーと同じほどの効果でした。ただし表面積が広いからか、こちらの方がはっきりとビフォーアフターの差が分かります。
しかしやはりシルバー磨き用の専用クロス方が、しっかり黒ずみが取れます。
専用クロスは100均でも買える安価なものです。結論としては、「日焼け止めの活用方法としてはそこまでおすすめじゃないな。」という感じです。
オリジナルTシャツを作ってみた
日焼け止めクリームとアイロンを使うと、布に転写する事が出来ます。それはカラープリントのインクが油に溶けやすいという性質を持っているからです。インクは日焼け止めクリームの油分で紙から浮いた状態になり、熱に溶けやすい樹脂がアイロンの熱で定着されます。―――この方法でオリジナルTシャツを作る方法が、SNSで話題となりました。筆者も挑戦してみました。
必要な物

必要な物は日焼け止めクリーム以外は以下の3点です。
- Tシャツ
- アイロン
- 好きなデザインのカラー印刷紙
白いTシャツに転写

- 印刷した紙の表面に、日焼け止めクリームをたっぷり塗り込みます。

- 塗った表面を下にします。こうするとデザインが反転するので、印刷する時はあらかじめ「反転」させて印刷します。

- あて布をせずに、直接上から高温のアイロンをかけます。

- コピーを剥がせば出来上がり。3日干したら洗濯も可能です。色は淡く、デザインが水に滲んだような仕上がりになりました。良い様に言えば優しい印象、悪い様に言えばぼやけた印象です。
シマシマTシャツに転写

次はTシャツを替えて転写してみました。先の白いTシャツよりも分厚くて丈夫な生地です。

同じようにアイロンを当てます。

ちょっとシカの目が隠れてしまいましたが…最初よりもはっきりとデザインが転写されました。白いTシャツと違って生地のほとんどが綿だったのでこうなったようです。
白いマスクに転写

アイロンを当ててコピー用紙を剥がすと…

こんな感じになりました。

白いTシャツの場合にじんだようになったのは、おそらく化学繊維(ポリエステル80%)が多かったからだと思います。シマシマTシャツとマスクは天然繊維(綿・麻100%)だったので、はっきり転写出来ました。
注意事項
- ポリエステルに転写した場合は、ぼんやり柔らかい印象になります。
- 綿・麻に転写した場合は、比較的くっきりと写ります。
- 洗濯すると色落ちして、洗濯のたびに色が薄くなっていきます。
- 失敗する事もあるので、一時的に楽しむためのものだと割り切って作る事です。
つまり転写作品を作る上で大切な事は素材選びです。特に洗濯するとほぼ確実に色落ちします。作品を作る時は布製ポーチ・布製トートバッグ・ティッシュケースなど、普段洗濯しない物がおすすめです。
総論:日焼け止めクリームが余った時の使い道
- ハサミのベタベタをとる
- シルバ洗浄
- シール・ステッカーを剥がし
- オリジナルTシャツを作る
余ってしまった日焼け止めを、身近な生活の中で役立てるためのアイデアを紹介しました。すでに各所で紹介されている方法ですが、実際やってみて効果があった方法・あまり効果が無かった方法があるので「実例」として参考になればと思います。ただし日焼け止めはあくまで日焼け止めです。オリジナルTシャツを作るなら専用メーカーがありますし、シルバー磨きもシール剥がしも専用の物が売っています。しかしながら筆者の場合ですが、肌に使えない・もう捨てるしかない物が役立った瞬間にとても得をした気分に浸れました。「お金を出して買ったのに…捨てるのがもったいない。」「やっぱりもうちょっと使えないかな…」という気持ちになっている時におすすめです。古い物を処分して、新しい日焼け止めクリームを購入する踏ん切りがつきますよ。