ハウスメーカーと工務店の違い・それぞれのメリットとデメリットを比較してみた【どちらを選ぶべきか?】

筆者は家を建てると決めて、まずハウスメーカーを選ぼうと思いました。その時に結婚式プロデュース会社・しあわせ倉庫の社長さんの話を思い出しました。

「無料プライダルフェアは1日10組参加するとして1人当たり10000円かかる計算となると、料理・人件費で20万円が会社の負債になります。…しかし10組カップルのうち契約までいけるのは2組くらいです。つまり会社は20万円の負債を、たった2組から徴収しないといけないわけです。」(結婚式に関してはこちらの記事をどうぞ→結婚式費用を節約するコツ!【持ち出し金ゼロに成功した筆者がプロデュース会社をおすすめする理由】

筆者はこの話は結婚式だけじゃなくてハウスメーカー選びにも当てはまる、という事に思い至りました。

ハウスメーカーと工務店の違い

素敵な家

ハウスメーカー

  1. 全国エリアで施工
  2. 経営規模が大きく、ブランド力と一定の信頼がある
  3. 莫大な広告費を掛けている

工務店

  1. 地域限定エリア(県内)で施工
  2. ハウスメーカーよりは小規模経営
  3. ハウスメーカーよりも広告費を低く抑えている





家の見積書内訳から分かる事

ハウスメーカーのメリット

大手ハウスメーカー8社が公表している情報をもとに試算された総費用の内訳割合があります。

総費用内訳割合3000万円の場合
実質工事費用57%1710万円
下請け会社への仲介料21%630万円
研究費5%150万円
営業・人件費5%150万円
モデルハウス3%90万円
広告費2%60万円
その他7%210万円

ハウスメーカーの見積り金額の内、工事費用は全体の60%、その他40%は下請け会社への仲介手数料・広告費・モデルハウス維持費・人件費などで占めています。

シロアリ仲介業者

しかしハウスメーカーは広告費こそ大きいですが、大企業ならではの研究開発に取り組んでいます。最新の科学技術・耐震性能・設備性能を考えれば、広告費が大きいというデメリットを考えても選ぶメリットはあります。



工務店のメリット

地元の工務店でハウスメーカーと全く同じ家を建てようとするなら、下請け会社への仲介料や広告費がかからないので低価格に抑えられます。

総費用内訳割合3000万円の場合
実質工事費用57%1710万円
下請け会社への仲介料21%630万円
研究費5%150万円
営業・人件費5%150万円
モデルハウス3%90万円
広告費2%60万円
その他7%210万円

工務店でも少しは広告宣伝をするでしょうが、それでも下請け会社への仲介料が無くなるのは大きいです。

シロアリ業者と直接取引

計算上ハウスメーカーだと3000万円だった家が、2400万円~2600万円くらいになります。





超超重要!建築会社の広告費を知る方法

広告費を見積書ではっきりと明らかにするハウスメーカー、工務店はこの世に存在しませんが、

「建て主から要求があれば原価・経費・利益を明らかにすべし」

…という法律が存在しています。

つまり広告費を知る方法は、建て主が「原価・広告費・会社の利益を明らかにして下さい。」と要求する事、とても単純な事なんですね。建て主が要求する事で初めて広告費が明らかにされます。




広告費が多い建築会社の特徴

毎日テレビCMで見る会社

テレビ広告放映料は視聴率と時間帯によっても違いますが、大きな費用がかかります。

放送局制作費1回15秒の放映料合計
東京キー局70万円40~80万円110~150万円
関東独立局70万円3~15万円73~85万円
ローカル局70万円3~15万円73~85万円

製作費は一度作ればそれ以上かかりません。しかしこれが毎日放映されるとなると、かなりの放映費用です。さらに人気タレントを使うと年間出演料として、数千万もかかります。こういう広告費用も家の見積書の内訳に入ります。全国に向けたCM放映料を、僅かな契約者で支払う事になります。



住宅展示場にモデルハウスを持つ会社

富山県の場合、ジュートピアという総合住宅展示場があります。東京はTBSハウジング、他県は住まいランドというように、名前は違えど各県に総合住宅展示場はあります。この住宅展示場の家を建てるのに、約5000万円かかります。そして住宅展示場の家の維持に掛かる費用も、年間で約5000万円かかります。維持費の内訳は、光熱費・通信費・保険代・ガソリン代・人件費・土地の借地代です。

お金

こういう住宅展示場の維持費も家の見積書の内訳に入ります。そう思ったら住宅展示場という立地の良い場所ではなくて、普通の土地に「常設展示場」を出している会社を探して見ると良いかもしれません。




住宅工場見学イベントの頻度が多い会社

住宅工場の見学ツアーに力を入れているハウスメーカーがあります。防災を体験できるテーマパークのようになっており、家族全員で楽しめるイベントが満載です。

住宅展示場

さらに工場ツアーの帰りに「我が社で建てた料理店です」と、無料の食事が振る舞われたケースもあります。しかし楽しむだけ楽しんで契約しない家庭の分の負債も、家の見積書の内訳に入ります。開催の規模、開催の頻度をチェックする事をおすすめします。広告費をチェックした後に書いた記事がこちら→個人的におすすめしないハウスメーカー【評判・坪単価を比較】







総論:ハウスメーカーの選び方のコツ・工務店の選び方のコツ

大手メーカーにはそれなりのノウハウがありますが、何事もバランスが大切です。テレビCM、新聞、雑誌、ネット広告、住宅展示場の全てを使って多額の広告費を使っているハウスメーカーはおすすめできません。大掛かりなイベントに惑わされないようにしましょう。重要なのは、建て主が「原価・広告費・会社の利益を明らかにして下さい。」と要求する事です。それを拒否する会社は危険という事を覚えておいて下さい。

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