秋のタデ科の野草・イヌタデの花と葉を食べた感想【9月~10月の子供の収穫体験】

秋によく見るピンク色のつぶつぶしている野草、犬蓼(イヌタデ)を我が子と食べてみました。春夏の雑草の記事でも書きましたが、「家庭菜園は難しい!でも子供に収穫体験させたい!」という場合は「野草の収穫体験」がおすすめです。しかも効能がなかなか身体に良いという事なので紹介します。(春夏の雑草についてはこちらから→春夏のキク科の雑草ハルジオンとヒメジョオンの花・葉・茎を食べてみた感想春のマメ科の雑草カラスノエンドウの花・葉・豆を食べてみた!

犬蓼(イヌタデ)とよく似た名前の雑草

イヌタデとは

イヌタデの食べ方

「蓼食う虫も好き好き」ということわざがありますが、このタデとは違います。ことわざのタデは葉に辛み成分を持つヤナギタデを指し、香辛料に使われます。対してイヌタデの方は「辛味が無いから役に立たない」という理由で「イヌタデ」と呼ばれるようになったとか……犬って昔から人間の役に立ってくれていたと思うんですがこの名前の由来は個人的に納得がいかない。しかし「これは人間用ではなく犬用の植物である」という風に人間が食べるものでは無いという事を表したかった言葉なんですね。また「否」が訛って「犬」になったという説もあります。他にも麦に対してイヌ麦、びわに対してイヌびわという植物等があります。



オオイヌタデとは

イヌタデの食べ方
  • 茎長:イヌタデは30~40cm、オオイヌタデは100~150cmです。
  • 花穂:イヌタデはピンク色でピンと上に伸びる、オオイヌタデはピンクか白色で垂れ下がります。
  • 葉:イヌタデもオオイヌタデも葉先が長い点が特徴ですが、オオイヌタデの方が大型です。

犬蓼(イヌタデ)と混同しがちなのが大犬蓼(オオイヌタデ)ですが、比べてみると分かりやすいです。特にオオイヌタデは花が咲いた後だと「垂れ下がる」という特徴があるので、間違える心配はないかと思います。






犬蓼(イヌタデ)という植物の効能

イヌタデの食べ方

我が子と一緒に道端で採って来ました。イヌタデは食物繊維・ミネラル・ビタミンが豊富であり下記の効能があります。もっとも我が家の場合、雑草を料理に使うのはあくまで子供の収穫体験が目的です。高い栄養素を求めての事ではありませんが、副次的効果としてありがたいですね。

  • 利尿作用
  • 解熱作用
  • むくみ
  • 虫刺され
  • 食当たり
  • 下痢による腹痛
  • 回虫駆除







犬蓼(イヌタデ)のレシピ

食べられる部位

イヌタデの食べ方

イヌタデに限らず野草が美味しいのは新芽の時です。イヌタデもそうですが、たいていの植物は花が咲いた段階になると葉や茎が硬くなって不味くなります。新芽の段階だと葉も茎も柔らかくて全部位食べられますから、天ぷら・おひたし・味噌汁の具材にするのがおすすめです。

…しかしね、花が生る前に摘むって難しいです。

イヌタデの食べ方

上の写真は咲き始めですが、この時点で茎がかなり硬くなっていました。

イヌタデの食べ方

しかし新芽のうちに採取しようにも、野草に詳しくない筆者は花が咲かないとイヌタデと分かりません。それで「結論としてイヌタデという植物は全部位食べられるけれど花穂の部分だけ食べよう。」という結論に達しました。




茹でてシンプルに調味料

イヌタデの食べ方

まずは茹でてみました。すると…

イヌタデの食べ方

3分ほど茹でると花穂のピンク色が抜けてしまって白色になりました。

イヌタデの食べ方

ちなみにさっと塩水で茹でても同様でした。色鮮やかなピンク色の方が食卓に映えて良かったんですが、加熱時間を減らしたくなかったので仕方ありません。注意!普通に道端に咲いているのを採取してきた場合、加熱殺菌は超重要です!

イヌタデの食べ方

とりあえず色落ちするのは諦めて20分くらい煮込んでみましたが、やはり茎は硬いままでした。

イヌタデの食べ方

葉は少し加熱しただけでかなり柔らかくなったので、茎を残して花穂と葉を食べました。特に特徴的な味はしませんでしたが、プチプチとした食感が楽しめました。例えるならトマトの種に似ていました。





薬味として使う

イヌタデの食べ方

最初から茎を取り除いて使ってみる事にしました。花穂だけだとかなり少量になるので香味として使います。

イヌタデの食べ方

天ぷらのたれ・そばやうどんなどの麺類・鍋ものなどのつけ汁等、出来上がった料理の薬味として食べてみました。プチプチとした食感も楽しいですが、ゴマのような鼻に香ばしい香りが抜けていきました。山椒・唐辛子・わさび・ねぎほど特徴的ではないので、その点誰でも(子供でも)食べられるという所が良いと思います。




色合い豊かにする

イヌタデの食べ方

茹でるとピンク色は抜けてしまいましたが、それでも白・紫・緑色は残ります。色合い豊かにするために、豆腐の上にのせたりキャベツの浅漬けに混ぜてみたりして楽しみました。





ごまの代わりに

イヌタデの食べ方

食感は上でも記述しましたが、味は例えるならゴマに近いです。ご飯の上にのせてお茶を入れると「お茶漬け」の完成です。個人的にはこれが一番気に入りました。市販のお茶漬け粉末が無い時に、梅や緑茶と一緒に食べると美味しいです。






総論:秋のタデ科の野草・イヌタデの花と葉を食べた感想

イヌタデは昔、子供のままごとのご飯代わりにしていた事から「赤まんま」の別名もあります。しかし最近はこういった物でままごとしないので、別名も廃れてきている印象があります。子供と一緒に食べる時は、こういった別名も一緒に教えてあげると良いですね。とにかくどこにでも生える繁殖力が強い植物です。毒性がある植物ではありませんが、田んぼのあぜ道や道路の側溝に生えているものはしっかり加熱して下さいね。

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