子供に収穫体験させたいけど忙しくて家庭菜園は難しい……だったら子供に食べられる雑草を収穫させればいいよね?と思って始まった筆者の雑草収穫、今回は2回目です。(前回の雑草→春のマメ科の雑草カラスノエンドウの花・葉・豆を食べてみた!実際の食べ方紹介)探せば意外と食べられる雑草が多くて親子で楽しめています。今回紹介するのはハルジオンとヒメジョオンです。
ハルジオンとヒメジョオンはどんな植物?

ハルジオン | ヒメジョオン | |
属性 | キク科ムカシヨモギ属 | キク科ムカシヨモギ属 |
花の色 | 白・ピンク色 | 白・ピンク色 |
花期 | 4月~6月 | 5月~10月 |
寿命 | 多年草 | 一年草(越年草) |
ハルジオンとヒメジョオンは道端でよく見かける雑草の一種です。この二つは同属で見た目が似ている事に加えて、駆除が難しい外来種という共通点もあります。複数年生存する多年草・ハルジオンも厄介ですが、秋に発芽して翌年に枯れる越年草・ヒメジョオンであっても1個体あたり47000以上の種子を生産する厄介な繁殖力持ちです。(しかも種子の寿命が35年!)両者とも日本の侵略的外来種ワースト100に選ばれているのも納得の嫌われ者です。でも両者とも大正時代に観賞用として持ち込まれたものなので、今となっては誰も責められないですね。
ハルジオンとヒメジョオンの見分け方
花の形

ハルジオンの花びらは細くて数が多く、ヒメジョオンの花びらは太くて数が少ないです。
蕾の付き方

ハルジオンの蕾は下に垂れ下がり、ヒメジョオンの蕾は上を向きます。
茎の中身

ハルジオンの茎の中は空洞で、ヒメジョオンの茎の中には白い綿のような物が詰まっています。
ハルジオン | ヒメジョオン | |
花びら | 細い | 太い |
蕾 | 下向き | 上向き |
茎の中身 | 空洞 | 白い綿 |
葉の付き方 | 茎が葉に抱っこされている | 茎に葉がくっついているだけ |
他にも写真にはありませんが、葉の付き方で見分ける方法もあります。もっともハルジオンもヒメジョオンも両方食べられます。ですから食べる分には見分けが付かなくても特に問題は感じませんでした。
植物の食べられる場所

ハルジオンもヒメジョオンも、花・葉・茎の全部位を食べられます。ただし美味しいかというのはまた別の話で、生長して花まで咲いた状態だともう美味しくありません。

美味しく食べられるのは、まだ蕾が付く前の段階か…

蕾が付いたばかりで開花していない状態のものです。筆者のような素人の場合は未開花だと見分けるのが大変ですが、すでに開花した群生地を探すと近くにあるので分かりやすかったです。
葉と茎でおひたしを作る

開花状態と未開花状態のもので比べてみます。

まとめて茹でます。

開花状態のものは…めちゃくちゃまずい!
葉はともかく茎が硬くて筋っぽくて食べれた物ではありませんでした。対して未開花状態のものは普通に美味しいです。かつお節と醤油を和えたのですが、見た目はホウレンソウのおひたしのように見えました。味は10分ほど茹でたのですが、茹で過ぎたのかほとんど野草独特の味が無くなっていました。(かつお節と醤油の味しかしない…。)少し野草らしい苦さが欲しい場合は茹で時間は3~5分程度にした方が良さそうです。
葉と茎で天ぷらを作る

茹でずに取っておいた未開花のものに、衣を付けて油で揚げます。天ぷらは野草の調理法の定番です。取り合えず野草の処理に迷えば「天ぷらにしておけば良いだろう」みたいな所がある…。

玉ねぎとハルジオンの天ぷら完成です。開花したものはやはり不味かったですが、未開花のものは予想通り美味しい。塩を付けて食べると、最初はほんのり甘くて最後だけ苦く感じました。春菊だったら最初から苦さ全開なんですが、ハルジオンは後味だけ苦いのですね。
注意!花の部分は不味い!

「開花状態の茎が硬くて食べられないなら、花の部分だけで調理すれば良いかも?」と思った筆者は、早速やってみました。洗っただけの生の状態で食べると、タンポポに似たえぐみがあったので軽く茹でた後に炒める事にしました。

えぐみを消すためにごま油を使いました。

食べてみると…食感が不味い。味は筆者が味付けした通り醤油バター味で普通ですが、真ん中の黄色部分がもしゃもしゃしていました。おそらく確証バイアスだとは思うのですが…最初に思い込みがあると多様な情報があっても、最初の考えを支持するような情報ばかりが目に付いてしまいます。「黄色の部分はもしゃもしゃしているだろう。」という思い込みがあったのもあってか、噛んだ時の舌触りが気持ち悪くて受け付けませんでした。
総論:春夏のキク科の雑草ハルジオンとヒメジョオンの花・葉・茎を食べてみた感想
ハルジオンとヒメジョオンの未開花状態の場合、天ぷらにすると葉、茎、蕾も含めて美味しかったです。ただし筆者は春菊や三つ葉、ふきのとう等の独特な味が大好きな人間なので、それらが嫌いな人だと楽しめない味かなと思いました。子供も最初に口に入れた時は嬉しそうだったのですが、5回ほど咀嚼すると変な顔になりました。(それでも自分で収穫したものだからか3個ほど食べました。)野草のえぐみは嫌いだけれどどうしても食べてみたい人は、おひたしがおすすめです。長めに茹でると結構えぐみが除去されます。花は見た目が綺麗なので料理に使えると良かったんですが…、まあ仕出し弁当のタンポポのように料理の飾りとして使うと素敵だと思います。なんにせよ、野草の中ではかなり美味しい味でした。